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善光寺のあるまちに暮らす

2008年4月26日 善光寺では「チベット騒乱の犠牲者を追悼する法要」が行われました。長野市で北京五輪の聖火リレーが行われた日のことです。
同年11月 チベット仏教の最高指導者・ダライラマ14世は、チベット問題の憂慮等を理由とした、聖火リレー出発地辞退に対し、「チベットを代表してお礼を申し上げる」 と述べ、釈迦如来像を善光寺に奉納されました。
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そして、2010年6月19日 ダライラマ法王は善光寺を訪れるご予定。
善光寺とチベットを繋ぐ扉が開かれる日、善光寺…そして善光寺のある長野市の歴史に残る貴重な一日になることは間違いないでしょう。法王のお越しと、目には見えないけれど確実に存在する何かを感じるために、長野市へ、そして善光寺においでになる方々を善光寺のあるまちに暮らす一人として歓迎いたします。

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            16日 善光寺で行われた 砂曼陀羅完成法要 奉納の舞い


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快適、安楽、快楽、安定さ を求め続け、自分の枠組みを保ったまま拡張したい…、手に入れたものは失いたくない、したいことはなるべく多くしたい、できる限り長く生き続けたい…という欲望を満たすための構造や仕組みが、社会レベルで編成され、そうした構造や仕組みが人々の心の隅々までおしひろげられてゆく。
生命学・哲学者の森岡正博は、(無痛文明論 トランスビュー 2003年)の中で、こうした欲望を「身体の欲望」とよび、身体の欲望に支配された現代社会を「無痛文明」と呼んでいます。このような「身体の欲望」の前に立ちはだかるのが、「生命の力」であり、「生命の力」は先の見えない人生を、予測不能な方向へ、他者のいる方向へ、自己をたえず変容させる方向へと開いてゆき、この世に受けた生を悔いなく生き切ろうとする原動力としてはたらく…とも述べています。

私自身をみれば、「身体の欲望」に支配されることに抵抗しようにも、無痛文明を形づくる強大な無痛奔流に押し流され続け、自己の無力感に打ちひしがれる日々。
森岡正博が言うとおり、身体の欲望を後押しするように構成されている現代社会では、「身体の欲望」が圧倒的に有利です。「生命の力」を眠らせ、マヒさせようと様々な罠をしかけてくる「身体の欲望」の攻撃、それを全力でかわしながら、悔いのない人生を模索しようとする「生命の力」が反撃する…こうした様相が世界各地で起こっています。
「生命の力」が圧倒的に困難な「今」という時代…。この世に受けた生を悔いなく生き切ろうとする原動力である「生命の力」とは何なのかは、私にとっての最大の興味であるとともに、この力を感じ続けられることこそが私にとっての生きる希望だとも思います。
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日本に生まれた者、チベットという国に生まれた者の違いはあれど、この世に生を受けた者であることには何も変わりはありません。それどころか、「今」という共通する時の中を別の場所で生きていることにこそ大きな意味があるのかもしれません。

「今」がいかに困難であったとしても、チベット人としてこの世に受けた生を悔いなく生き切ろうとする人々の姿の中に、「生命の力」を感じるのは私だけではないと思います。
もちろん、チベットの人々だけが困難さを抱えているという意味ではありません。
この日本でもたくさんの「生命の力」を感じることはできます。しかし、「身体の欲望」が渦巻く現代日本の日常の中で「生命の力」を感じ、信じながら生きることは容易ではないこともまた事実です。
そうした意味からしても、チベットの「今」を知ることは、私たちが異なる場を生きてはいても、私たちは同じ「今」を生き切ろうとしているということを感じることのできる、とてもとても大きな可能性だと私は思います。 
                                          小池マサヒサ 記

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ダイライラマ法王が長野市にお越しになる今週末、長野市内ではチベットに関連する様々な企画が予定されています。下記に、いくつかをピックアップしてみました。ご興味ある方はアクセスしてみてください。

◆ダライ・ラマ法王14世 来日特別記念講演 「善き光に導かれて-今、伝えたい心-」
6月20日(日曜日)

4.14玉樹(ケグドゥ)地震支援チベットコンサート in 長野
場所:善光寺大本願 明照殿 大広間
日時: 6月19日(土)開場 16:00/開演 16:30
出演: Loten Namling(ロテン・ナムリン)/Tashi Kunga(タシ・クンガ)/Reelha(レエラ)
主催: チベット・ハウス・ジャパン http://www.tibethouse.jp
協力: チベット教育サポート基金  http://www.yasuragi.com/tibet/
(株)ミュージックエイト  http://www.music8.com/

「チベット亡命1959」記録写真展
6月19日(土)から21日(月)まで
午前10時から5時まで無料展示 21日は4時まで
場所:長野市権堂町 地蔵庵 (善光寺大門から中央通り南へ約300mセントラルスクエア近く)
主催:代表/林久義 0577-56-1693 090-8551-0084  
長野事務局(チベットの風):090-4715-3981(宮坂)

「メルトダウン イン チベット」上映会&野口健講演会
日時:6月19日(土曜日)開場14:30 開演15:00
場所:長野市生涯学習センター 大学習室1
主催:SFT(Students for a Free Tibet)日本支部
無料

◆「チベットの風~Wind from Tibet」上映会
日時:2010年 6月 20日 (日曜日)
場所:生涯学習センター 学習室 TOiGO (長野市鶴賀問御所町1200)
開 場:17:50/開 演:18:10/終 了:20:10
会 費:500円
申し込み先:Eメール tibetmovie@gmail.com (お名前、e-mail、連絡先などをご明記ください)
主 催:「チベットの風~Wind from Tibet」を見る会
公式サイト:http://windtibet.com

希望のキャンドルキャラバン in 善光寺門前
日時:2010年6月19日(土)日没の前後2~3時間程度(19:00~メインセレモニー予定)
場所:善光寺 駒返り橋南側
協力:Candle JUNE
主催:アムネスティ・インターナショナル日本/虹の架け橋
お問合せ:amnestypc@yahoo.co.jp
参加無料
by cafe_mazekoze | 2010-06-16 17:07 | 門前暮らし | Comments(3)
Commented by 小林竜太郎 at 2010-06-17 09:06 x
20日のダライ・ラマ法王来日特別記念講演は、僅かですが、当日立見券の販売もあるとのことです。
今日(17日)の長野市民新聞では、チベットの現状が特集されました。これはありがたいことです。
西方寺のご住職によると、チベットの方は、長野の町をチベットのラサに似ているとおっしゃるとのことです。あらためて長野という町で暮らす感性を研ぎすませる週末にしたいと思います。
Commented by 知哲 at 2010-06-18 06:19 x
4年前にデリーの仏舎利塔法要で、ダライラマ法王が主賓としてこられて、3人の通訳団のなかで、近くで御法話をききました。
ニコニコとね。ほんとにニコニコとしてらして。

善光寺は深い御縁があるねえ。
一念が啓く世界っていう、まさにそんな。
また、行ってみたいなあ!

げんきでね。
Commented by norbulingka at 2010-06-18 11:39 x
はぁ~歩いていける距離でチベットイベントがこんなにあるなんて、うらやましい・・・。
私も数年前国技館でのダライラマ法王の講演に行きました。
経済的メリットがないと、●メリカも世界も動かないね・・・。
「生命の力」はほんとうは体が一番わかってるんだろうけどね。どうも頭のほうが余計なことを考える。
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