カテゴリ:ロケットストーブ( 27 )

ロケットの炎 

地球は温暖化傾向にある…と言われてはいても、今年も確実に冬はやってきました。
Cafeマゼコゼは、善光寺盆地の西側にあって標高約400M。ここから見えるもっとも高い山は2300M級の志賀の横手山や菅平の根子岳、それらの山はもちろん、善光寺盆地の周囲を囲む360度全ての山は真っ白、真冬の姿になりました。
東京の知り合いからは長野は雪が多くてたいへんでしょう?と聞かれるますが、最近では市街地で雪かきが必要な程降り積もる日数は10日あるか無いかぐらいですし、積雪も多くて30cmほど。校庭や神社の裏山でスキーやソリをした私の子供時代と比較すれば、降雪量はあきらかに減っているようにも思いますが、自然のスケールと人間のスケールは単純に比較できませんし、雪の減少=危機的状況なのかどうかは誰にもわかりません。自然が今をどう動こうとしているのか…自然の摂理は私たち人間が使っているような単純なスケールじゃ決して測れ無いような気がします。
このあたりでは北へ5分車を走らせれば10cm雪が深くなる…と言われます。長野市街地から車で20分ほどの飯縄町で50cm~1M、40~50分の距離にある県境の信濃町(黒姫高原)あたりまで行くと1M~1.5M、そこからさらに20分ほどの新潟県妙高高原町では2Mを超える積雪があります。
これだけ温暖化だの異常気象だのと聞かされて危機感をあおられれば、これも温暖化の影響かな?…と思うこともありますが、毎日降り積もる雪、2M超えの雪と格闘している人々からすれば、温暖化だろうがなんだろうが一回でも雪かきの回数が減るならその方がいい…と思うのも当然だと思います。

MAZEKOZEの冬の主暖房は薪ストーブです。
昨年の冬から使用しているMAZEKOZEストーブは随分と進化?成長?し、今年の冬も大活躍してくれそうです。
このストーブ、すっかり時計型じゃ無くなってしまいましたが、原型は新潟県燕三条市で生産されている「時計型ストーブ」とよばれている国産ストーブです。今年は近所のホームセンターで¥3980(煙突は別途)で売られていました。
かつて山小屋で使っていた時計型ストーブに魅了され、大学を卒業してからの最初の自分のアトリエ…埼玉県飯能市の山奥の豚小屋改造アトリエ(ほんとうに豚がいた豚舎を借り、無理やりアトリエに改造しただけの小屋…)で愛用して以来、ストーブといったらこれしか思い浮かばない私は、MAZEKOZEでも当然のことながら時計型ストーブを…と思ったのですが…。
なにせこのストーブときたら、火の点きは良いけれど、薪はあっという間に燃え尽きてしまうし、煙はモクモクモクモクと始終出しまくり、おまけに薪が無くなればアッという間に冷えてしまう…という、なんともラテン的というか情熱的な奴。 
実はこの時計型ストーブってやつは暖房用じゃなくて山小屋などで調理することが主目的だということに、最近になってようやく気がつきました。
ようするに、パッと料理して、体が温まったらさっさと寝る…もしくは、さっさと仕事する為のストーブなのです。
山小屋感覚、焚き火感覚が手軽に家庭で楽しめる・・・という点では超優れものなのですが、これを主暖房として使うとなると結構大変。薪ストーブの優雅なイメージからは程遠い。
しかもこいつを、街のど真ん中に連れてきて使うなんてことを考えると、まず第一に大量に出る煙は大問題!こんな奴と一緒にいるだけでご近所に煙たがれてしまいます。

そこで…と言うか、かねてから考えていたのが、この時計型ストーブのロケットマスヒーター化。
(STOVES・ストーブは調理器具のことで日本語で言うストーブはHEATER・ヒーター、ロケットマスヒーターとはロケットストーブ方式の大容量ヒーターという意味)
「街中で時計型ストーブを主暖房として使う…」から発生する問題をあれこれ考えた結果、最終的にたどりついたのがロケットストーブという発想と構造だったのです。
このロケットストーブについては以前にもザックリと書いたことがありますが、そもそも「部屋を暖める」という目的はロケットストーブにとっては後付けのおまけ的要素。ここ数年…特に最近になってロケットストーブの意味性、可能性に気付いた人々によって情報交換が繰り返されながら、“ロケットマスヒーター”は日々進化を繰り返しています。
なぜ最近?…おそらく最も大きな要因は、インターネット環境の急速な進歩とオープンソースという概念の浸透、特にYutubeなどの動画投稿サイトを通じての情報配信は最大の要因だと思います。

「冬の寒さに対して部屋を快適な温度に保つ」…は、現代の日本に暮らす私たちにとってはあたりまえのこととして認識されています。冬が近づけば今年の灯油の値段は高いor安い…もしくは、経済的なのはガスor電気…という話題がちょこっと出るだけで、部屋を暖める…という“あたりまえさ”についてあえて言及することはありません。
“ロケットマスヒーター”はそのあたりまえさについてあれこれ考えさせられる。
私がロケットストーブに惹きつけられた理由、それは 『ちょっとまって!』 だと思います。

あたりまえさは単に『あたりまえ』として認識すればいい…あるいは通り過ごしてしまうことだらけの世の中。
あたりまえに対していちいち立ち止まって考えていたら、世の中への疑問ばかりが増大し、「あんた何そんな無駄なことばかり考えてるの?そんな暇あるんならさっさと動きなよ!…」なんて言われて、下手すれば自分だけが一歩も身動きとれないような状態に陥ってしまうやもしれません。
…。
だとしても私は、そんな今だからこそ、『あたりまえ』のずっとずっと手前にあったことに振り向く瞬間がとてもとても大切で必要な気がします。
私たちが「今・此処」から未来に向かって歩み出すためにはそんな 『あたりまえ』 に振り向く瞬間がどうしても必要です。
そして今、日々の暮らしの中に何か一つだけでも…“あたりまえ振り向く為の何か”を見つけたい…。
その何かがあれば未来は一変するかもしれない。
私にとってはたまたまそれが、「部屋を暖めること」であっただけのこと。あたりまえに振り向く為の何かがロケットストーブだけとは限りませんが、私たちがどのような進化を経て此処(今)に到達したのかを知る為にあるような気がするのです。
しかもそれを自分でつくれる喜びは格別。
自分でつくってみると、世の中が今までとはちょっとだけ違って見えてくるはずです。

あるとき私たちの祖先は、この世界を形つくる上で欠かすことのできない大いなる力の存在に気付きました。
崇高で大いなる力…、そんな力の一つが『火』であったことは間違いありません。
「落雷によって木や森が燃え上がり辺り一帯が炎に包まれる…」
そこに自分たちには計り知れない大いなる力を感じるのは、人間としてすごく当然のことだと思います。
しかし、現代に生きる私たちはもはやそうした大いなる力を感じる感性を不必要なものとして捨ててしまったり、封印しようとしているような気がしてなりません。
寒さから身を守る「火」、水をお湯に変える「火」、一瞬にして何もかもを焼き尽くす「火」。
時に「火という存在そのもの」を崇めながら、その使い方を誤らぬよう気遣いながら、火と共に生きる為の選択の繰り返し…それが私たち人類が辿ってきた長い長い歴史なのだと思います。

考古学研究によると、縄文人が暮らしていた竪穴式住居の内部には調理した痕跡は無いことから、住居の中心で燃える火は、寒さなどから身を守る目的があったとしても、単にそれだけを目的としているわけではなく、大いなる力の象徴である火を家の中心に置くことで、疫病や天災を遠ざけるといった目的を持っていたとされ、やがてそうした意識が原始宗教へと進化したのではないか…、やがて燃え続ける火の持つ目的性は住居の中に神棚を祭るといった姿へと変化していった…ということ。
現代のようにスイッチONのコンロも無く、ライターもマッチも無い時代。
家の中心にある囲炉裏のような場所で燃える火を絶やさないことが、生命に直結していたであろう時代。そんな時代に暮らしていた人々は、火という目に見える存在を絶やさず見つめることで、目には見えない生命を感じていたであろうことを思うと、目に見える火が暮らしの周辺から遠ざかれば遠ざかるほどに、私たちが最も大切だと思っている生命は私たちから遠ざかってしまうような気がします。

私たちは何処から来て、そしてこれから何処に向かおうとしているのだろう?
…。
今まで数えきれない人たちが考え続けてきた究極の問いを、ロケットマスヒーターの底で燃える火の流れを目で追いながら…。
さ~て、そろろそ仕事でもすっか!…と思うのでした。

                           小池マサヒサ 記
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by cafe_mazekoze | 2010-12-26 13:29 | ロケットストーブ | Comments(0)

ロケットストーブその後

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我が家の自家製ロケットストーブ。このところ、日々形が少しずつ変わっている。
今日も外出から戻ってきたら、お餅が溶けるようにストーブの形も変わっていて、アメーバのようにひろがってきている。
週末の夜中に夫が時計型ストーブの外観に土を塗ってから、薪の燃え具合がさらによくなったし、ちょうど土を外側に塗った部分の内側にはススがついていなくて、ススも燃えてしまうぐらい温度があがっているということだと思うと、その土の保温効果、蓄熱効果に驚く。

そんなこんなで我が家ではロケットストーブの話題がよくのぼるのだが、娘は私以上に最近ロケットストーブに詳しく「お母さん、煙の燃える温度知ってる?」という質問をしてきたりする。(笑)
「ロケットストーブの中は煙がもくもくと奥の部屋に行った後に、ボッと煙がもえるようになっていて、もくもくボッ!なんだよ。それから煙が燃える温度は800度ね。」と教えてくれたりする。おそるべしロケット娘。(笑)

我が家のロケットストーブ、いまやだんだん形が変わってきて、なんだかおもしろい。
有機的な形のためか?なんだかいろんなものに見えてくる。
ストーブって気がしないけど、めちゃくちゃ暖かい。
なんか高温の生き物って感じ。
これから、まだまだ進化していくロケットストーブ。また後日レポートします。
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by cafe_mazekoze | 2010-12-20 23:58 | ロケットストーブ | Comments(4)

さらにパワーアップしたロケットストーブ

昨日、今日と夫は仕事のあいまにロケットストーブと格闘。

以前からずっと考えていたロケットストーブ改良に昨日の朝から着手。

私がわかる範囲で説明すると、我が家のロケットストーブは外見は市販の時計型ストーブだが、中の構造をロケットストーブに改造してあり、その改造部分の2次燃焼室(煙をもやす部屋)が小さいため、いまひとつ威力を発揮できないのではないかと夫はずっと言っていて、2次燃焼室を大きくすれば炎の押しもぐっとアップするし、煙が完全に燃焼するはずということで。。。

まずは、昨日朝から小さいドラム缶(どこにあった?娘曰く、薪を拾いに行ったときにみつけたらしい)を利用して2次燃焼室を作り(今までの2次燃焼室の大きさの約3倍)、夕方から試してみることに。
絶対うまくいくという夫の予想とは反し、煙が逆流してまったくうまくいかず。。。

私が「1次燃焼室と2次燃焼室の大きさが違うというのも問題なのでは?」と言い、娘は「土に問題があるのでは。。。」と言い、夫は「うまくいくはずなんだが。。。」と、かなり落ち込みながら、いろいろと考えていたようだが、その日は時間切れ。


しかし、時間切れにもかかわらず夫はしつこく娘が寝てからも、もう一度挑戦。そうこうすると煙突にどうも問題があるような。。。
そして夫はもう一度最初の形に戻して火をおこして試してみるが、今度は元の形に戻しても煙が逆流。

こうなれば、原因ははっきりした。やはり煙突に何か詰まっているよう。
そして、今朝は娘を7時に送り出した後に煙突掃除をして、もう一度作り直し。

そして、10時には完成。さて、試運転してみることに。

な、なんとすばらしい押し。(通な言い方、笑)
まさにロケットのゴーという音もパワーアップしているし、温度もパワーアップ。
灰も真っ白になるまで、完全燃焼してる!
なんといっても炎がどんどん奥に吸い込まれる感じで送られていく。
すごい!!!

と、うまくいけば私も勝手なもので大喜びだったのだが、
昨夜は結婚記念日だったのでワインでも飲んで夕飯をと思っていて、夕飯できてもロケットストーブと格闘して私まで煙逆流のために鼻の穴までまっくろにされて、とんでもない夜と怒っていた。
一方、娘は「何でも最初は失敗することもあるさ。」と夫を励ましていて
えらいな~と思って眠りについたのだが、夫のおそるべし執念。。。

改良したロケットストーブ本当にパワーアップ。理論は分かっていたけど、本当にできるのかな?と思っていた私は、夫や娘の「原因が分かれば絶対できる!」という強い意志に驚く結果となりました。
ロケットストーブに興味のあるかた、威力を感じたい人はぜひ見に来てくださいね。

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改良するまでの我が家のロケットストーブ
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改良前の2次燃焼室の中
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さあ、どうするか?
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ちょっとラーメン食べて、私は手伝うよ!

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  どんどん炎は奥の2次燃焼室に送られていく これってすごい!
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by cafe_mazekoze | 2010-12-13 20:45 | ロケットストーブ | Comments(7)

ロケットストーブそろそろ

去年、マゼコゼで大活躍だった自家製ロケットストーブ。
昨日、今日と寒くて灯油のストーブやこたつを用意し始めたのだが、やはりロケットストーブの威力にはかなわない。
今日も一日灯油のストーブをつけていたところ、のどが乾燥したのか?イガイガしたりする。
しかし、ロケットストーブだと乾燥しすぎないし、適度な温度に家じゅうがあたたまるし、すぐれものだと去年実感して、人にもすすめたりしていたら、いまや「ストーブと言えば小池さん」(笑)といわれるぐらいロケットストーブについてメールや電話で遠くからも問い合わせがあったりする。
ロケットストーブのワークショップなど、今年はやってみるつもりで夫もいるようだが、ロケットストーブを作りたいと思う人は、基本的に1日中でも火の番をしていたいという人かどうかというのが決め手となるのではないかと私は勝手に思っている。
実際には一日中火の番できないとしても、それぐらい火が好きな人。(表現が変だけど)
夫が火を育てると言っていたけど、本当にそれがぴったりな表現かもしれないと思う。
そんなこんなで、またロケットストーブがマゼコゼに登場する日が近づいてきたと思った1日だったが、火を育てる余裕がなかなかない私は、ちょっと重荷だったりする反面、火のお世話もしたいと思う面もあり、なんだか子育てと似てるな~と思うのだった。
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     ↑ チャパティー作りに今年の冬もはまりそう
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by cafe_mazekoze | 2010-10-28 23:58 | ロケットストーブ | Comments(0)

ロケットストーブ その後

ロケットストーブ用の薪が全てなくなり急きょ昨日の午前中に、おじいちゃんが森の管理人に携わっている「かたくりの森」へ薪になる木を取りに行った。
おばあちゃん、おじいちゃん、夫、私、娘で森になかに。
既に、おじいちゃん、おばあちゃんが木を切って乾燥させておいてくれたものがいくつかあって、夫がチェーンソーで幹を切っている間に、焚き付けようの枝になりそうなものを枝切りばさみで切ったりする。娘は走り回っては、たまに枝を切るのを手伝ってくれる。
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そして夫はその後東京に行ったので今朝は私がロケットストーブに着火する日。
この枝のお陰で、今朝はすぐにつきました!
すごいな~。それでもいつものように緊張して、炉の中に小枝チョコと全く同じタイプの枝を新聞紙の上にならべ、だんだん少し太い枝に移行し、育てるように一緒に火とつきあい、やってみました。
1回でつくなんて、初めて。
うれしかった~!

今日は温度が上がると聞いていたものの、夕方からは雨がふり、変な天気。
そうなると、やはり我が家は漫画喫茶と化してしまう。娘はやはり犬夜叉。(笑)
ロケットストーブのそばで、漫画読んで、りんごジュース。うらやましい~。
私はというと、雨の日はチャパティーやナンなどを、このロケットストーブで焼いてみたくなる。
プランターコテッジ森の管理人さんの一人、エサレンマッサージ師で、かなりのインド通のひろみちゃんにチャパティーのこつを指導してもらおう。貧乏パンも復活しなくては。
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       ↑ よく見ると、このロケットストーブ怒ってたんですね。
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by cafe_mazekoze | 2010-03-15 18:19 | ロケットストーブ | Comments(6)

最初のころのロケットストーブ

マゼコゼにあるロケットストーブは、だんだんと改良をかさね結構良い感じ。
夫が、まずは煙をださないためにはどうすればいいかとあれこれ考え調べ、今の形のロケットストーブにたどりつき、まだこれからも進化し続けるのであろうと思うのだが、結構良い感じで実験できていると思う。

ちょっと前にブラックシリカのことについて、このブログに書いたのだが遠赤外線をさらに多く放出するにはこのロケットストーブに土をぬる、または陶器でおおうなど、土の威力をさらに加えることで多量の遠赤外線がでるということを夜中に夫と話し合ったりして、まだまだ改良の余地はあるが、第2ステージに突入といった感じである。

最初のころのロケットストーブの写真を見ると、娘も私もわいわ~いと言った感じ。
今は家族の一員みたいになっているが、夫は「ちゃんと火を育てて。」とほんとに火を子どものように大事に扱う。
私は密かに、この我が家のロケットストーブの名前を茉莉花1号と娘の名前と同じ名前で呼んでいるが、子どもを育てるのと同じぐらい火を育てるのは思っていた以上に難しい。
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    ↑ 時計型ストーブのころ。ロケットストーブの前。
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    ↑ この後ロケットストーブに変わっていくが、一つ目のロケットストーブは高熱のため失敗。
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    ↑ これくらい雪が降る日はもうないかな?
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by cafe_mazekoze | 2010-03-12 23:16 | ロケットストーブ | Comments(0)

ROCKET STOVES

マゼコゼの冬のメイン暖房には薪ストーブを使っています。
今年の長野の冬は、それなりに雪が降ったりしていたので、冬らしい冬…といった感じでしたが、それでも、自分の体の細胞が覚えている長野の冬の寒さにはほど遠く、暖かな冬だったような気がします。
とは言っても、やはり冬は冬なので部屋の暖房は必須です。

蔵に暮らしながらcafeを営む私たちにとって、蔵の広さは確かに嬉しい…でも、この広さは冬の家計をもろに直撃します。
家族が暮らすだけなら冬の間は小さい部屋に籠もるとか、乾布摩擦するとか…、エコノミーな方法も選択できますが、暮らしとcafeが合体しているまぜこぜな我が家ではそうもいきません。
「薪ストーブって素敵ですね」とおっしゃって下さる方も多くいらっしゃいます。素敵に思っくださるのは確かに嬉しいのですけれど、ここの薪ストーブはcafeマゼコゼを続けてゆく為にはどうしても必要なこと…大袈裟に聞こえるかもしれませんが、暖房に何を選択するか?は死活問題でもあるのです。
ということで、今回はマゼコゼなストーブをご紹介したいと思います。
既に2年近くの間、私の頭の中はストーブのことでかなり一杯な状態なので今回はたぶんその第1回目です。

ここ最近、本屋さんには薪ストーブ関連の書籍がたくさんあります。
近年のエコロジーブーム(私はブームってのが好きじゃないのですが)に後押しされてもいるようですが、薪ストーブが暖房器具としての目的に加え、それ以上の何かをもたらしてくれるものであることに気付くきっかけとなるとすれば、このブームも必要かもしれないとも思います。a0162646_20333036.gif
書籍で見かける人気薪ストーブは、 バーモントキャスティングやヨツールなどの海外のストーブメーカーによるもの。日本に比べ北米や北欧では薪ストーブの利用率が格段に高く、薪ストーブを使用する際の煙に対する規制も厳しく定められているようです。こうしたストーブの特徴は、二次燃焼によるクリーンバーンが実現されていること。二次燃焼を簡単に言うと、薪を燃やすことによって出る煙をもう一度燃やすシステムで、煙突からの煙を減らすと同時に燃料となる薪の量を減らすことが可能、結果、ストーブ燃焼室内で燃える炎が耐火ガラス越しに実に綺麗に見える…というすぐれもの。
石油ファンヒーター眺めながらうっとりする人は少ないと思うけれど、薪ストーブの中で燃える炎ならずっと見ていたいと思うのは納得できる。a0162646_20361038.gif
…でも、こうした薪ストーブはとってもとっても高価。おまけにストーブ本体だけじゃストーブの中がクリーンでも部屋の中はモウモウになっちゃうので当然のことだけど煙突が必要…で結果ますます高価。
ようするに、マゼコゼ的には価格的に全く×な上にデザインも趣味じゃないし、きっとマゼコゼには似合わないと思う。

…で、現在マゼコゼが使っているストーブがこれ↓
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『時計型ストーブ改・ROCKET MASS HEATER!!2号』
もちろん?自作

そもそもcafeマゼコゼでは上で説明したような外国製の高価なストーブを使いたい…な~んてことは一度も考えたことは無くて、自分はずっとROCKET STOVESのことばかり考えていたのでした。
…ということで、ようやく 『ROCKET STOVESってなに?』について。
まずは、現在マゼコゼの壁に貼りつけてある「ROCKET STOVES」について私が書いた説明をお読み下さい。

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◆時計型ストーブ改・ROCKET MASS HEATER 2号 ◆
     (ロケットストーブヒーター)

Cafeマゼコゼでは、室内を暖房する為に薪ストーブを使用しています。
ストーブ本体は長野市周辺でも山村部を中心に広く普及している時計型ストーブを利用していますが、通常の時計型ストーブとの大きな違いは、燃焼室内部にROCKET STOVES(ロケットストーブ)と呼ばれる燃焼構造を組み込むことによって燃焼効率を大幅に向上させている点です。
ROCKET STOVES(ロケットストーブ)とは、米国オレゴン州に拠点を置く、持続可能な生活体系の研究・教育を目的としたNGO  AProvechoのテクニカルディレクター、ラリーウィニアルスキー博士によって1982年頃 開発された燃焼構造のこと。開発の主目的は難民キャンプや発展途上諸国において木質燃料を使用することから起こる重大かつ深刻な問題…疫病の蔓延、室内空気汚染による健康の悪化、さらに、気候変動への影響問題、森林伐採問題、の解決を目指すことに始まりました。

ROCKET STOVESが、こうした地域における諸問題の解決策となり得る為には、
①現地調達可能な材料でつくれること。
②できる限り単純で簡単な構造であること。
ようするに、問題解決を望む当事者、自らが製作できるシステムであることが開発の重要なポイントなのです。こうした地域に暮らす人々に対して、最新装置や複雑な器具を与えるのでは無く、『つくる方法を教えること』に重点を置く…このことは、こうした地域以外に暮らす私たちにとっても、持続可能な暮らしのありかたを考える上でとても大切なポイントになります。

私たちRIKI-TRIBALは、
「誰からもダメージを受けない、誰にもダメージを与えない、計画と実践」 
をテーマに様々な活動を行っていますが、このテーマの先に私たちが目指す「持続可能な暮らし」はあると考えています。

薪を使った暖暖房には、経済的あるいは環境配慮という目的性もあるのは確かですが、それとは別に「私たちの暮らしはどのようにしてつくられているのか?」という『目には見えない暮らしの背景に関心を持つきっかけづくり』において、最も効果的であると私たちは思います。

『持続可能な暮らし』について、ROCKET STOVESを使いながら私たちと一緒に考えてみませんか。

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この図が時計型ストーブ改・ROCKET MASS HEATER 2号の内部構造。
ストーブ内部すべてがROCKET STOVES と呼ばれる構造体。
その構造を覆うカバーにあたるのが時計型ストーブ。(人に例えれば脳と頭蓋骨に近い関係です)
燃料となる薪が燃える時に、ゴ~~~!!という音がする+燃える炎がまさにロケットエンジンからの吹き出す炎のイメージなので、ROCKET STOVESと呼ばれるようになったようです。
STOVESは「調理器具」という意味ですが、そもそも、この開発は、生水(病原菌のいる水)を如何に効率よく、クリーンに沸かし、安全な飲料水を確保するか…というテーマに向かって始まったようです。
現在も、世界の多くの地域の人々は、木を燃やし、食物を調理して暮らしています。石油や天然ガスなどの化石燃料、あるいは電気などを使って調理できる人々はいわゆる先進国と呼ばれる国々の人々や富裕な人々です。
煙が充満する台所で調理し続けると、呼吸器系の病気や視力障害(主に緑内障)を誘発しやすくなるそう。加えてその傾向は、女性と子供(女性がおんぶしたり、育児しながら調理する為)に多くみられるようですが、幼児の死亡原因やその後の発達障害にも調理時に出る煙が影響している…ことなんて、つい最近まで私は全く知りませんでした。
暖房器具(HEATER)としての利用はその後にROCKET STOVESという構造を応用し、色々な人々が今も改良を進めているという状況。暖房装置はHEATER、これに、ROCKET STOVESが大きな熱エネルギーを効率よく発生させる…という意味も込めて、ROCKET STOVESに魅せられた人々は、これを「ROCKET MASS HEATER」と呼んでいます。 

と言うことで、長くなってきたので、今回はここまで。
次回をお楽しみに。

・・・

ということで、以下はこの記事についての編集追記。
いまは、上の記事を書いてから2回目の冬の2012年2月です。

"ROCKET STOVES"…と検索したら、このBlogに辿りついてしまった方もいるかと思います。
私がROCKET STOVESをはじめて試作した頃には、検索ヒット0だったことを思うと、このところのROCKET STOVES人気??には、驚くばかり。
なにはともあれ、様々な繋がりによってROCKET STOVESが徐々に広がってゆくことは、悪いことでは無いと思います。
いまや、ROCKET STOVESについて説明されている方はたくさんいらっしゃいますし、この燃焼構造をわかりやすく説明してくださっている方もたくさんおられます。
私は、ほんといい加減なので、そのあたりについてをBlog上では殆どお伝えできていないのが現状ですので、詳しい構造などについてはそういった方々の記事を参考にして下さればと思います。
マエコゼで使用している、時計型改ROCKET MASS HEATERは少しずつ改造を繰り返し、現在は Ver4となって 3回目の冬…2011-2012を迎えています。
風の噂では、この時計型ストーブ改…の兄弟の幾つか増えているようです。

ちなみに、我が家の時計型改ROCKET MASS HEATERは、現在はこんな姿に http://rikimaze.exblog.jp/11753515/ なりました。

ちなみに、ROCKET STOVES にまつわる、2012年2月時点での最新の記事はこちら。
http://rikimaze.exblog.jp/14570916/

長野にお寄りの際は、是非、”時計型改ROCKET MASS HEATER Ver4”を見学にいらしてくださいね。



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by cafe_mazekoze | 2010-03-04 19:25 | ロケットストーブ | Comments(14)