RIKI-TRIBAL Rocket Stoves

冬が近づくにつれて、ROCKET MASS HEATERの見学がてらマゼコゼを訪れて下さる方が増えてきました。
私は残念ながらお会いできませんでしたが、先日も、はるばる遠方からマゼコゼの
ROCKET MASS HEATER=『時計型ストーブ改・ROCKET MASS HEATER Ver4』を見に来て下さった方がいらっしゃいました。妻は帰り際になってそのことを聞いたそうですが、ロケットマスヒーターを自作中とのことで、後日その方からメールで自作一号機の写真も送って頂きました。
現在は、「時計型ストーブ改ROCKET MASS HEATER 」を導入しようとしているそうです。兄弟が増えてゆくようでそれはそれで不思議な気もします…。

最近の私の周辺でのRocket Stoves近況をBlogに投稿しようとは思ってはいたものの、なかなかそれもできずにいたので、その方へのお返事を書きつつ、Blogでも、いま自分が思うRocket Stovesとは?について少し語ってみようと思います。


Rocket Stovesのここ数年の広がり方は、それ以前を知っている人々にとっては驚くべき状況だと思います。この理由は様々考えられますが、その一つには、インターネットネットワークの進歩普及…特にネット環境の高速化…個人による動画配信がより簡単、スピーディーになったことは大きな理由であることは間違い無いと思います。
基本的には“自作”が前提のRocket Stoves。
少し前の時代には、設計図や制作方法がネット上に公開されるところまででした。
それが近年、様々な人々のつくっている姿そのものが動画となって…世界中の人々の目に見えるように進化?してきました。
ネット上の動画公開は、様々な社会問題も引き起こしてはいるかもしれませんが、それが何であったとしてもテクノロジーの進化の過程では常に付きまとう問題…難しい問題ではあるけれど、最終的には「何をどう使うか?」という個人の良識…判断がより重要さを増してきているということだと思います。
Rocket Stovesにとってもそれは同じこと、広がり伝わってゆく過程での問題や課題もあるかもしれません。でも、「自作すること”がより身近に感じる…」「つくることが知識だけに留まらない」…「さぁつくるぞ!…という具体的イメージが湧きやすい」…「私にもつくれそう!」…「イメージとして伝わりやすい…」
など…説明書や図面からではなかなか湧きおこらない気持ちではないでしょうか。
私はなにより、動画による情報配信の最大の効用は、専門家の占有物にとどまらないことだと感じています。

勤勉で真面目な傾向の強い日本人の多くは、イメージでなんとなく捉える…というよりは、「しっかり学んで、きちんとつくる…」に向かいがちな気がします。
ちゃんとしたものでなければダメ!・・・のような感覚が強い。
もちろんそんな性質が先進国と呼ばれるようなこの国の今を築いてきたわけですから、それを一概に良く無いなんて言えませんが、専門家がそれぞれの分野に固執しすぎるがあまり、そうした分野間を行き来するのは難しい…様々を融合させるような創造性、チャレンジ性ある人々が育ちにくいような気がするのは私だけでは無いと思います。
これには、おそらく責任とリスクが大きく関係するような気がしますが、このお話しをし始めると、Rocket Stovesから大分離れてしまいそうなので、今回はこのへんにしておきます。

…と言いながら、マゼコゼ型Rocket Stovesについてのつくり方は今のところ動画配信していません。その代わりと言ってはなんですが、マゼコゼに来て頂ければ見学はいつでも大歓迎です。

私の興味…私たちRIKI-TRIBALの目指す未来には“自分でつくる人が増えること”
自分でつくる人々が増えるかどうかで、Rocket Stoves周辺の展開も大きく変わってくると思います。
それは社会全体からすれば微々たることかもしれません…でもこの微々たることこそが、未来にとっては…今にとってはとても大切な気がしてなりません。
3.11という出来事は、私たちが何処から来て何処へ向かおうとしているのかを考えようとしている人々にとっては大きなきっかけとなったはずです。
…でも残念ながらそれは、「考えようとしている人々にとっては」なのですが。

Rocket Stovesの根本にある構造はとても魅力的です。
私もこの構造的な魅力に驚き食いついた一人です。
でもこの構造や機能部分ばかりでなく、そもそもロケットストーブのベースにある本質的な目的性に人々が注目してくれればと強く思います。

CafeMAZEKOZEを運営する私たちがRIKI-TRIBALという屋号を用いて活動をめたのは、以前暮らしていた、東京 国立市でPlanterCottageという“場づくり”を始めた時…1999年の3月からです。PlanereCottageは今も仲間たちによって、様々な人々が行き来する私設の公民館??のような場として運営されています。
そんな私たちの屋号…RIKI-TRIBALって何?…意味は?…と質問されることはよくあります。
言葉に込めた想いを人に伝えるのはなんとなく照れくさいので普段はあまり語ることも無いのですが…。
RIKIは「力」、TRIBALは「種族」とか「民族」という意味を持たせた造語です。
「力の種族」なんて聞くと、とてもマッチョな感じもしてしまいますが、私たちはこの造語に、「根源的な力」あるいは、「生きる力」という意味を見出したいと思ってきました。
あれから12年。
様々な「生きる力」を感じつつ今に至ります。

多々ある「生きる力」との出会いの中でも、「アイヌ」は私にとってとても大きな出会い…私の中にある何かを揺らすとても大きなきっかけだったように思います。
「アイヌ民族」は私たちが暮らす日本列島に暮らし続けてきた先住民族。
明治政府樹立以降、日本政府は長らく、日本は単一民族国家であるとして、アイヌ民族に対する同化政策を始めとして、アイヌを日本固有の民族として認めてきませんでした。
数年前になってようやく、先住民族としての「アイヌ民族」を容認する法案が国会で可決されるに至っていますが、残念ながらそのことについて殆どの日本人は知らないままなのです…。
…。
アイヌ民族の民族性が大切にされることは、「人権」という観点に於いてとても重要でなことですが、私はそれ以上に、その民族性の根底にある「生きる力」の捉え方に深く惹かれます。
それは何も、アイヌ民族に限ったことではありません。
世界中の多くの先住民族と呼ばれる人々の暮らし方、生き方には、現代の暮らし方に慣れすぎた私たちが忘れかけたものがたくさん見え隠れしています。
アイヌはそれに気付かせてくれた大きなきっかけです。
私がRocket Stovesに惹かれる理由も、こうした民族性の根底にある「生きる力」にしっかりと繋がっていると感じているからだと思っています。
Rocket Stovesは繋がる為にある道具です。
何と繋がるかは私たち一人ひとりがこの道具を自分でつくりながら、そして感じながら、考えるべきことだと思います。

                  RIKI-TRIBAL_Sustainable Art Works
                       
                  小池マサヒサ 記



以前、CafeMAZEKOZEの『時計型ストーブ改・ROCKET MASS HEATER 2号』を制作した時に書いた記述。Rocket Stoves周辺の社会背景を少し追加。

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ROCKET STOVES(ロケットストーブ)とは…
米国オレゴン州に拠点を置く、持続可能な生活体系の研究・教育を目的としたNGO 
AProvechoのテクニカルディレクター、ラリーウィニアルスキー博士によって1982年頃に開発された燃焼構造のこと。開発の主目的は、難民キャンプや発展途上諸国において木質燃料を使用することから起こる重大かつ深刻な問題…疫病の蔓延、室内空気汚染による健康の悪化、さらに、気候変動への影響問題、森林伐採問題、の解決を目指すことに始まりました。


◆木質燃料を使用することから起こる重大かつ深刻な問題
世界では今なお、30億人以上の人々が、生きていくために最低限必要な食事の調理、給湯や暖房に必要なエネルギーとして石炭やバイオマス (木材、家畜の糞や農業残渣)等の固形燃料を利用しています。
焚き火をしている家庭の台所には煙が充満し、息苦しく、目からは涙が止まりません。
室内での固形燃料を使用した非効率な焚き火や、固形燃料の燃焼は体に有害な物質が多く発生し、毎日数時間にわたり調理をする女性や一緒にいるその子どもたちが吸い込む煙は二箱のタバコの煙を吸うのと同じ量になります。WHOの調査によると2002年には世界で150万人の人が室内の空気汚染を原因とする病気で亡くなっています。

◆貧困問題・疫病の蔓延
室内で固形燃料を燃やして調理をするのは主に開発途上国の都市部のスラムや農村等の貧しい家庭です。アジアやアフリカの都市のスラムでは、大量の薪燃料の購入費で家計が苦しめられています。
貧しい家庭ほど家計全体に占める燃料購入費の割合は高くなります。
また、農村等で燃料を集めているようなところでは、女性や子供が毎日何時間もかけて薪になる木の枝を探さなければなりません。毎日数十分~1時間以上、毎日2時間以上かけて薪を集めなければならないことも…。固形燃料を燃やさない…ということは調理した食事が食べられないということ。疫病と固形燃料を燃やすことは生命と直結しています。貧困という問題により人類の約半数が有害なエネルギーを使用せざるを得ないのが世界の現状です。

◆気候変動問題への影響
世界中で約24億人の人々が日々お湯を沸かしたり、調理をするために薪などのバイオマス燃料を燃やしています。その結果、毎日200万トンのバイオマス資源が 煙となって消えています。薪となる木の成長が燃料の需要を上回っている場合は問題ありませんが、地球の人口増加に伴って森林の伐採は深刻な問題になっています。


ROCKET STOVESが、こうした地域における諸問題の解決策の一つになり得る為には、木質燃料を燃やすことによる有害性をより無害な方向に近づけることを前提条件として、

①現地調達可能な材料でつくれること。
②できる限り単純で簡単な構造であること。

ようするに、問題解決を望む当事者、自らが製作できるシステムであることが開発の重要なポイントです。こうした地域に暮らす人々に対して、最新装置や複雑な器具を与えるのでは無く、『つくる方法を教えること』に重点を置く…このことは、こうした地域以外に暮らす私たちにとっても、持続可能な暮らしのありかたを考える上でとても大切なポイントになります。

薪を使った暖房は、経済的あるいは環境配慮という目的性を実現するための有効な手段となり得ます。
しかし私たちは、「私たちの暮らしはどのようにしてつくられているのか?」という『目には見えない暮らしの背景に関心を持つきっかけづくり』において、最も効果的であると考えています。

私たちRIKI-TRIBALは、
「誰からもダメージを受けない、誰にもダメージを与えない、計画と実践」 をテーマに様々な活動を行っています。このテーマの先に私たちが目指す「持続可能な暮らし」があります。『持続可能な暮らし』について、ROCKET STOVESをつうじて私たちと一緒に考えてみませんか。


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最近、『時計型ストーブ改・ROCKET MASS HEATER』を新たに設置しました。
そのあたりのお話し…
技術的なお話しはまた今度。
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by cafe_mazekoze | 2011-11-29 09:51 | ロケットストーブ | Comments(0)
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